ひとの しってる はなのなは、
わたしは ちっとも しらないの。
ひとの しらない くさのなを、
わたしは いくつも しってるの。
それは わたしが つけたのよ、
すきな くさには すきな なを。
ひとの しってる くさのなも、
どうせ だれかが つけたのよ。
ほんとの なまえを しってるのは、
そらの おひさまばかりなの。
だから わたしは よんでるの、
わたしばかりで よんでるの。
名前なんて、無価値だ。
ただそこにある
お日さまと約束した「1」の魂を楽しもう。
約束なんて
私の知る所じゃないから
結局の所
この「1」の魂は
あるけど
ないようなもの。
でも、目に見えてしまうから
愛したり、愛しく思ってしまったりする。
見えないものに重きを置いたり
見えるものを欲したり
行ったり来たりするだけの事。
だけど
おもしろかったり
愛しかったり
腹を立てたりする。
どうぐは生み出すもの。
それはなくても良いんだけれど
あると便利、ほんとかな?
ほんとだよ、ほんとだよ。
こうしてこうしてこうやるの。
あれれ、不思議!
意味のないモノが組み合わさってくっついてひっつけて
足して引いて駆けて割って
「使いモノ」に変化する。
歴史は必要ない!
そう思ってた。
有るのは未来だけだもの。
だけどそうじゃない。
過去も未来も幻想も
必要にして紡いでく。
必要にして生きていく。
ラベル:金子みすず